ねーねー、声優のボイスサンプルの作り方って、すっごく気になるよねー?
そうだよねー、とっても気になるなー。作り方知りたいなー?詳しい人、いないかなー?
……どうして、そんな遠回しに聞いてくるの?
えっと、ボイスサンプルって、声優的にすごく大事らしいんで興味があるんですけど、私たちはまだ声優養成所にも通ってないし、質問するのは早いかなって……
それに、そういうのって、自分だけのオリジナリティ?みたいなのが必要だから、作り方を誰かに聞いたらダメなのかなって思って……
いやいや、そんなことは全然ないよ。
声優のボイスサンプルの作り方だね。
じゃあ最初に、ボイスサンプルそのものについて、ちゃんと知ってなきゃだから、まずそこから説明していこうか。
やったー!
やったー!
(……これで、先生のスタイルを全部パクれば、俺もすぐに声優になれるかもな……うひひひ……)
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そもそも、ボイスサンプルってどんな物?
声優はもちろん、声の仕事をする人たちにとって
とても重要な物が「ボイスサンプル」です。
しかし、声優を目指している人であっても、
「何となく聞いたことがあるけど、ボイスサンプルって何なの?」って
思う人も、いるのではないでしょうか。
というわけで、作り方よりも先に、
まず、ボイスサンプルとは一体なんなのか?ということから、説明していきますね。
ボイスサンプルとは、その名前の通り
声優であるあなた自身の、声と表現のサンプル
ですね。
というわけで、参考にするために
あなたの好きな声優さんが、所属している声優事務所の
ホームページを、ちょっと確認してみてください。
その声優さんのプロフィールを見ると、
ページのどこかで、ボイスサンプルが聴けるようになっているはずです。
それを再生すると、過去に出演したアニメや洋画のセリフや
テレビ番組のナレーションなどが、いろいろ聴けるでしょう。
これが、ボイスサンプルです。
このボイスサンプルを使って、
マネージャーさんなどが、制作会社に営業活動をして売り込むことで
新しい仕事や、オーディション参加の依頼が来るようになるんですね。
つまり、音響監督やディレクター、プロデューサーなど
アニメのキャスティングをする人に聴いてもらい、
あなたの魅力を伝えることで収録に呼んでもらうための、
声優の商売道具です。
なので、このボイスサンプルの質がイマイチだと
仕事どころか、オーディションの話もないまま
ただ声優事務所に所属しているだけで、時間が過ぎていくことになりますね。
そのため、声優として活動していく上で、とても重要なんです。
……ボイスサンプルで、声優として売れるかどうか、全てが決まるってことか?……
ドキドキするね。
声優のキャスティングは、ボイスサンプルだけで決まるわけじゃないから、これだけで売れるかどうかが決まるってわけじゃないよ。
ただ、やっぱり出来の良いボイスサンプルは、マネージャーとしても営業活動をしやすいよね。
つまり、マネージャーさんが紹介しやすいボイスサンプルの方が良い、ってことですね!
いや、そういうわけでもないよ。
だって、いくら紹介しやすくても、やりたくない仕事ばかりがバンバンやってくるボイスサンプル、なんて嫌じゃない?
うう、それはちょっとキツイかも。
だから、自分の演じたいキャラクターをしっかり演じてアピールしながらも、ちゃんと売り込みやすいボイスサンプルが理想だね。
……うーん、難しいんですね。
新人声優には特に難しいことかもしれないけど、避けては通れないから、自分がどうしたいのかをしっかり考えて作っていかないとね。
じゃあ、次はボイスサンプルの作り方を詳しく説明しようか。
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声優のボイスサンプルの作り方は?
というわけで、この項目では
声優のボイスサンプルの作り方は?というのを、説明していきますね。
基本的に、ボイスサンプルの収録自体は
マイクの前で、用意した内容を演じるだけです。
しかし、
声優事務所などで指導のもとで、ボイスサンプルを作るのか?
それとも、
一人で、ボイスサンプルを作るのか?
と、ケースによって状況は変わってきます。
そのため、その両方のケースを踏まえ、
ボイスサンプルを作る際に
押さえておきたい、基本的なポイントとして、
下記の4点を、それぞれ説明していきます↓↓
- 自分一人でボイスサンプルを作る場合、どうする?
- ボイスサンプルは2分程度に収める
- 自分の演じたいキャラクターを明確にする
- 欲張らない
といった感じですね。
では、一つずつ詳しく説明していきます。
自分一人で、ボイスサンプルを作る場合
まず、
声優養成所や、声優事務所などのスタジオで
指導してもらいながら録音する、
という場合は、
ここは飛ばして、次の章にいってもらってOKです。
逆に、「自宅録音」はもちろん、
「自分一人で、スタジオを借りて録音する場合」などは
役に立つ内容なので、
その場合チェックしてみてください。
まず、ボイスサンプルの練習用として自宅で録音する場合は、
パソコンやスマホについている、
ボイスレコーダー機能を使うだけでもOKです。
例えばアイフォンなら、
「ボイスメモ」などの、ボイスレコーダーアプリが付いてますが
そういった、基本のアプリなどを使っての収録でも問題ないので、
別途、レコーダーなどを買う必要はありません。
しかし、ボイスサンプルは、
オーディションなど審査のために、誰かに聴かせることが前提の物ですよね。
なので、
できれば、上記の様なレコーダーに直接録音するよりも
「マイクから、パソコンに取り込んで録音・編集する」
といった形で、
本格的な録音環境を整えた方がいいですね。
ただ、かなり費用がかかることなので、
用意できない場合は、
前述の、PCやスマホ付属のボイスレコーダー機能で代用しましょう。
で、その本格的に録音環境を整えるのに必要な物は↓↓
- パソコンと音声編集ソフト (無料ソフトでOK)
- マイク
(パソコンに接続して録音する。) - マイクスタンド
- オーディオインターフェース
(マイクとパソコンをつなぐ機械。音質改善目的など。) - ポップガード
(マイクの前にある黒い盤面状のやつ。マイクへのノイズ等をガード。) - 吸音材などの防音グッズ
という感じですね。
しかし、
これら全てを揃えるのには、かなり費用がかかるので
とりあえず、
「パソコンと音声編集ソフト」と「マイク・マイクスタンド」
だけ、まずは用意すればいいでしょう。
ちなみに、
自宅録音(宅録)の機材に関して、詳しいおすすめを知りたい場合、
別記事の
「宅録の機材のおすすめは?」
で、詳しく説明しているので、
ぜひ、そっちもチェックしてみてください↓↓
パソコンを新規で購入する人は、
みんなで集まって練習する時に、持ち運べると便利なので
ノートパソコンを選ぶのが、おすすめです。
それから、
音声編集ソフトは、収録現場でも使われている
プロツールス(ProTools)
というソフトの無料版があるので、それを使うのが良いでしょう。
がっつり編集して、音楽を何十種類もつけるのであれば
製品版が必要になりますが、
ボイスサンプルなら、無料版で十分対応可能です。
ちなみに無料版は、
「ProTools First」という名前ですね。
下記のHPから、無料でダウンロードできます。
で、パソコン購入の際の注意点としては、
録音にしか使う予定がないなら
10万円を超えるような、高額なものを買う必要はありません。
なので、家電量販店などで、
プロツールスなどの、自分が使用する音声編集ソフトが、
ちゃんと動くかどうか、を確認してから、
予算に合ったパソコンを購入すれば、問題ないでしょう。
それから、
オーディション用のボイスサンプルを自分で録音する場合、
バンド練習や、ボーカル練習などで使う音楽スタジオ
もあるので、
正直、自宅よりもスタジオを利用するのがおすすめ。
これは、
「本格的に、マイクからパソコン・音声編集ソフトなどで収録する場合」でも、
「ボイスレコーダーで代用して収録する場合」でも、
どちらでも同じで、
自宅よりスタジオがおすすめです。
というのも、
音楽スタジオは、ちょっと音が反響しやすいのですが
工事現場や自動車のノイズで、
収録を中断する必要がある「自宅録音」と比べたら、
絶対にベターなんですね。
あと、カラオケボックスよりも安いことがほとんどなので
練習は自宅でして、
誰かに聞かせるボイスサンプルは、スタジオで収録する
というのが、自分でボイスサンプルを作るなら、おすすめです。
注意点としては、
スタジオ収録の場合でも、使い慣れたマイクを持参して、収録する
ことですね。
というのも、
スタジオのマイクの方が、高性能だったとしても
パソコンと接続できなかったり、セッティングに時間がかかったりする
ことが多いです。
また、使い慣れたスタジオで、
設置されているマイクが、自分のパソコンで使えることを確認済だったとしても
マイクが別の物になっていて使えなかった、なんてこともありますね。
なので、自分のマイクを用意した方が
トラブルなしで、ボイスサンプルを収録できます。
で、収録を終えたら、
ノイズを消したり、必要なら音楽をつけたりするなど
音声を編集して完了ですね。
で、オーディション用なら、
指定された形式に変換して、相手方に送付すればOKです。
個人的には、AAC形式を指定されることが多いですが
その辺は、常に相手の都合に合わせて柔軟に対応しましょう。
で、困るパターンが、
「CDを送ってほしい」と言われたけど
マックブックを使っているなどで、
自分のPCではCDを焼けない場合です。
その場合、漫画喫茶などに、
空のCD-Rと、音声データを入れたUSBを持って行くなどして
そこのパソコンから
データを焼くことになりますね。
しかし、そんなことするよりも
CDを焼ける、外付けのCDドライブを買ってしまった方が、
早いし、実は安上がりだったりするので
その場合、思い切ってCDドライブを買ってしまうのがおすすめ。
ボイスサンプルは2分程度に収める
次に、ここから以降は、
「ボイスサンプルの内容に関するおすすめ」
を、説明していきますね
声優のボイスサンプルは、基本的に↓↓
- 自分の名前
- セリフや朗読、ナレーションなどがいくつか
- フリートーク
↓
↓
という構成になっているのが、一般的です。
まあ、フリートークは絶対に必要ということはないですが
ボイスサンプルに入れるなら、ちゃんと原稿を用意する必要があるので注意。
また、声優事務所によっては、自分で名前を言わないところや
セリフ◯種類、ナレーション◯種類など、
何をどれくらい収録するか、作り方が明確に決まっていることもありますね。
そんな感じで、作り方ががっちり決まっている場合は
声優事務所の方針に従えばいい、というか従うしかないので
ここでは、ある程度自分で自由に用意出来る場合の話をします。
で、アニメなり洋画なりの
キャスティング(配役)を検討する際に聴いてもらうわけですが
3分以上の場合は、途中で聴くのをやめる可能性が高い
ので、2分程度に収めるのがおすすめ。
というのも、キャスティングの会議によっては
声優のボイスサンプルを、100個以上聴くことになるので
名前を言う声だけ聴いて、「違う」「この人じゃない」と判断する
のも、日常茶飯事です。
なので、せっかく、
「お、イメージに近い声の声優さんだから、ちょっと聴いてみよう」となっても
3分を超えているとわかると、時間がないので途中で止めて
次の声優さんの、ボイスサンプルを聴いてしまうんですね。
で、途中で止めたボイスサンプルは、たいてい記憶に残らないので
せっかく気にとめられても、
結局キャスティングされない、オーディションに呼ばれない、
ということになります。
なので、止められないギリギリを狙いつつ
名前+セリフ+フリートークを入れる、と仮定して
編集して音楽や効果音を入れることも考えると、2分程度が望ましいでしょう。
あと、これはちょっと失礼な言い方かもしれませんが
新人声優のボイスサンプルで、3分以上の長さになると
演技の幅がまだ少ないため、内容が薄くなる上に、収録が長引く
傾向がありますね。
まず、たくさんのセリフを用意してしまうと、
練習量が足りなくて、演技というよりも読んでいるだけになりがちです。
で、ボイスサンプルの収録は、ほとんどの場合、
所属している、声優事務所や声優養成所内などで、
あなた一人ではなく、複数人で順番に収録していくことになるので
どんなに長くても、30分以内には収録を終えることになるでしょう。
そのため、中途半端な出来のままでも、
時間の都合で、ボイスサンプルの収録を強制終了される恐れもあるので
今できる演技に集中するという意味でも、2分程度をおすすめします。
自分の演じたいキャラクターを明確にする
これは、あまり関係なさそうに見えますが
ボイスサンプルの作り方において、
収録するセリフ選びに関係することなので、大事なことですね。
この、演じたいキャラクターがはっきりしていると
セリフを選ぶのが、非常に楽になります。
というのも、セリフを3つ選ぶと仮定して
どのように選ぶのかを、例として挙げると↓↓
- 明るく元気な主人公系キャラクターを演じたい!(セリフ1)
↓
- セリフ1とは真逆のキャラクターを演じよう(セリフ2)
↓
- セリフ1とも2とも違うキャラクターを演じよう(セリフ3)
と、こんな感じで
ボイスサンプルの構成を、決めやすいんですね。
こんな感じで、最初の軸となるキャラクターが決まってしまえば
あとは、どんなセリフやシチュエーションにするかを決めるだけです。
で、結構多いのが
「演じたいキャラクターのセリフは用意出来るけど、
それ以外のセリフを、どう用意すればいいかわからない」
という人ですね。
そういう人のため、より具体的なセリフの例として、
の記事に、詳しく書いているので、
そちらを参照してみてください。
欲張らない
これは、ボイスサンプルの作り方、というよりも
ボイスサンプルを作る際の注意点ですね。
具体的に、どういう意味なのかを説明すると
いろいろな仕事がほしいからといって
「セリフも、ナレーションも、朗読も、フリートークも、歌も全部入れたい!」
とか考えて、
何でもかんでもボイスサンプルに詰め込むのは良くない、
という意味です。
というのも、
あれもこれもと、ガンガン詰め込んでしまうと
あなたがどういう声優なのか、わからなくなってしまうし
そもそも、声優である、という印象が薄くなってしまうんですね。
例えば、あなたがアニメで活躍したいなら
キャラクターのセリフをメインにして、ボイスサンプルを作る方が
「アニメ系が得意な声優なんだな」と、聴く方にもわかりやすいでしょう。
しかし、これがもし
セリフ→朗読→ナレーション、とジャンルがバラバラだった場合
何が得意なのかよくわからないボイスサンプルだな、
という印象になってしまいますね。
さらに、苦手なジャンルをも無理やり入れてしまうと
例えば、演技が良かったとしても
「朗読はイマイチだな」とか「ナレーションは微妙だった」
などという印象となり、本来評価してほしい演技の部分とは無関係なのに
全体的な評価を下げてしまうことになります。
なので、ボイスサンプルは、声優として
「あなたがやりたいこと」と「あなたが出来ること」
をしっかり考えつつ、欲張らずに内容を決める必要がありますね。
というわけで、おすすめとしては
セリフだけにするか、セリフとフリートークくらいにしておく
のが、良いでしょう。
短く、わかりやすいボイスサンプルを作った方が、聴いてくれる人に自分のやりたいことがしっかり伝わる!ってことだね。
うーん、でも作り方をうまく考えて、いろいろバッチリ入ったボイスサンプルの方が、いろいろな仕事がもらえそうな気がするけど……
そういうアレコレ詰まったボイスサンプルを聴いている方は、カレーの専門店に行ったらなぜかメニューにとろろそばがあった、みたいな気分になると思うよ。
そう言われると、変な感じがするかも。
まあ、ボイスサンプルの作り方は声優養成所でも授業でやるし、声優事務所に所属する時にも話が出るはずだよ。
それに、所属する声優事務所の方針や、事務所側の希望もあるから、絶対にここで紹介した作り方にこだわる必要はないからね。
おっ!全部バッチリ入るすごくいいボイスサンプルの作り方を思いついた!
ええっ!どんなの!?教えて!
上手く編集して、セリフと朗読とナレーションとフリートークが同時に流れるようにすれば、オンリーワンだし尺もバッチリおさまって、仕事もきっと盛りだくさん!
この芸術的なボイスサンプルの作り方、センセー的にはどう?
うーん、それで採用されたら確かにすごいね。
でもそのセンスに選ぶ側が追いつくには、あと300年以上はかかると思うよ。
やっぱり、欲張っちゃダメって事だね。