あーっ、あーっ……。
どうしたんだ?ダミ声になってるぞ。
そうなの。昨日発声練習しすぎて、喉を壊しちゃったみたいで……。
でも、それはそれでハスキーでいいんじゃないか?
ずいぶんハデにやったね。でも、喉に負担をかけ続けていると、本当にダミ声になっちゃうよ。
ええ~!それは困ります!早く治さなきゃ……。
そうだね。じゃあ今回はダミ声と、その治し方・予防法を見ていこう。
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ダミ声を治したい!
声優志望の人はもちろん、誰もがキレイな声には憧れますよね。
そんなキレイな声とは対極にあるのが、ダミ声です。
ダミ声とは、喉の隙間を通って出たような、かすれている声のことを指します。
しゃがれ声とも言いますね。
ダミ声は、「個性的」「渋い」「かっこいい」と評価されることもありますが、一般的には透きとおっていて芯のしっかりした声の方が好ましいとされています。
「でも、声質なんて変えられないし……」
「私の声は生まれつきダミ声で濁っているから、あんな風には出せないなあ」
と諦めている人もいるかもしれません。
しかし、実はダミ声は生まれつきではなく、後天的である可能性が高いことをご存じでしたか?
幼少期を思い出してみてください。
あの頃は、まだ今よりも透き通った声をしていたような気がしませんか?
生まれつきでないなら、ダミ声を治せる可能性は十分にあります。
そこで、今回はダミ声の治し方と、ダミ声の原因・予防法について見ていきます。
ダミ声に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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ダミ声を治す方法
ムリに大きな声を出さない
ダミ声になる一番の原因は、喉に負担をかけてしまうことにあります。
喉に負担をかけてしまうと、喉の筋肉(声帯)も傷つけてしまい、本来の声を出す働きを弱めてしまいます。
そしてその声帯に負担をかけてしまう代表的な行為が、大声を出すことです。
みなさんも「カラオケで熱唱した日や大声で叫んだライブの翌日は、声がガラガラになる」という経験が一度はあるのではないでしょうか。
これは大声を出すことによって、声帯を傷つけてしまい、声が出にくくなっているからです。
激しく運動をした翌日は脚が痛くなって歩くのが辛い、走ることができない、という経験はありませんか?
これは傷ついた筋肉を無理やり動かそうとすると起きる現象で、同じく筋肉である声帯でも、無理やり動かせばこれらと同等のことが起きます。
喉を傷つけることを未然に防ぐためにも、大声はできるだけ出さないようにしましょう。
カラオケであれば、マイクの持ち方や設定次第で、音量は十分アップします。
ライブやコンサートに行く際は、事前に喉を温めて軽く声出ししてみてください。
このように喉に準備運動をさせてあげることで、いくらかダミ声になってしまうのを防ぐことができます。
では逆に小声でボソボソ話せばダミ声は治せるのか、といえば、そうではありません。
ボソボソ話すということは、舌や口周りの筋肉を動かさずに話すということです。
そんなことを続けていると、筋肉が衰えて、本来発声のために使う筋肉や舌の分を声帯がカバーしなくてはなりません。
そうなると、ますます声帯を傷つけてしまいます。
大きすぎず小さすぎず、適切な発音とボリュームで話すように心がけましょう。
喉を休める
「喉を傷めてしまい、ダミ声になってしまった!」という人は、まず何よりも先に喉を休めてください。
「喉を休めるって、具体的にどうしたらいいの?大声を出さなければいいの?」と思うかもしれません。
大声を出さないのはもちろん、普通のボリュームの声でも、できればあまり喋らないほうが喉は休まります。
声優やアーティストの中には、「耳から音を聞いても喉への刺激になるから」と、喉を休める際はイヤホンで音楽を聴くことを避ける人もいるくらい、声帯は繊細です。
そして、傷ついた喉を休ませる一番効果的な方法は、ズバリ「睡眠を取ること」です。
寝ている間は声を出さないため喉を傷つけませんし、人間の筋肉の修復作業は寝ている間に行われます。
そのため、しっかり寝るとその分だけ喉の修復作業が行われることになり、より早くダミ声から回復することができるのです。
正しい発音を身につける
「特に大きな声を出しているわけでもないのに、つねにダミ声なんです」
「そもそも声質がダミ声!」
という人は、もしかすると普段から間違った方法で日本語を発音しているのかもしれません。
正しい発音とは、出す音によって舌や口周りの筋肉を最適なポジションに変えて音を出すことです。
日本語には、ア行からワ行まで、拗音などを含めば100以上の発音があります。
例えば、「か」という音であれば、舌の付け根を上顎の奥につけて、弾くように音を出します(軟口蓋破裂音)。
「ま」であれば、口の中の空気を上下の唇が離す同時に、鼻にも息を通して音を出します(両唇鼻音)。
このように、普段何気なく使っている日本語ですが、そのひとつひとつに正しい舌や唇・喉の使い方があるのです。
しかし、本来の舌や喉の使い方ではない、間違った方法で発音してしまうと、声帯を傷めてしまいます。
声帯が本来動くはずの舌や口周りの筋肉の代わりに動いて調音しようとするからです。
その状態が長く続くことで、声帯はどんどん傷つき、ダミ声になってしまいます。
長年声帯を傷つけた結果のダミ声はすぐに治るワケではありませんが、正しい発音を身に着けることで徐々に改善していきます。
発音は、「あいうえお」を1音1音見直していきましょう。
声優やアナウンサーが出している本が参考になります。
さらに、口周りの筋肉を鍛えるエクササイズも効果的です。
- 口角をキュッと上げ笑顔をつくり、そのまま10秒間キープ
- 頬に空気を入れ膨らませ、そのまま10秒間キープ
- 頬をすぼませてそのまま10秒間キープ
- タコのように口を前に突き出し、そのまま10秒間キープ
- 突き出した口を左右に移動させる(10往復)
- 唇をブルブルと震わせるリップロールを10秒間
上記のエクササイズ以外にも、ダミ声を改善する口回りのエクササイズが数多くあります。
毎日コツコツ、根気よく続けていきましょう。
ボイストレーニングをする
声質がダミ声かも、と思っている人には、ダミ声改善のためにボイストレーニングもオススメです。
ボイストレーニングでは、上で挙げた発音の見直しも含め、総合的にダミ声の原因を改善することができます。
ダミ声の原因は、1つとは限らないのです。
例えば、姿勢。
猫背のまま声を出すと喉が締め付けられ、ダミ声になりやすくなります。
また、もしかすると、普段から自分に合っていない音域や声で話している可能性もあります。
こういったクセは、自分ひとりでは分からないものです。
一度ボイストレーナーなどの専門家に第三者的立場から見てもらうことをオススメします。
まれに「クセが見つかったから、あとは自分でなんとかしよう」と自己流でトレーニングを進める人がいますが、これはやめておいた方が無難です。
ボイストレーニングは自己流で行うと間違ったクセがついてしまう可能性があるため、正しい発音を身に着けるまではきちんと専門家にお世話になりましょう。
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ダミ声にならないために
大きな声を長時間出し続けない
ダミ声の原因になるのは、喉(声帯)に負担をかけることでしたね。
大声を長時間出し続けていると、声帯に傷が付きます。
ちょっとの傷であれば短時間で治りますが、大声を出して喉を傷め続けると、治る間もなく声帯が傷つき続けるので、どんどんダミ声が悪化していきます。
それでも大きな声を出したいとき・出さなくてはいけないときは、声の響きを増やすことでボリュームアップさせましょう。
みなさんはスマホで音楽を聴くときに、コップに音を反響させてスピーカー代わりにすることはありませんか?
それと同じ原理を人間にも応用することで、大きな声を出すことなく音量をアップさせることができます。
口を軽く閉じ、そのまま「んー」と声を出します。(鼻歌やハミングとも呼ばれます)
②
そのまま、鼻に手を当てます。このとき、鼻が振動しているか確かめます。
③
同じように、ひたい、つむじに手を当て、振動しているか確かめます。
④
慣れてきたら、肩や胸、腰なども振動しているか確かめてみてください。
振動している箇所が増えれば増えるほど、音の響きが増え、全体的な音量も上がります。
一般的には、胸や腰を振動させるのは難しいとされていますが、プロの声優にもなるとお尻のすぐ上まで振動させることができます。
響きが増えると、喉に余分な力をかけずに必要最小限の負担で、十分なボリュームが出せるようになります。
ダミ声でない人も響きを増やすことで喉を傷めにくくなりますので、覚えておいてソンはないでしょう。
飲酒・喫煙を控える
飲酒や喫煙も、ダミ声の要因となります。
ダミ声が特徴的な声優の中には、「あえて飲酒・喫煙をして声を枯らせている」という人もいるくらい、飲酒や喫煙は喉に影響を与えます。
飲酒はアルコールによって喉が焼かれますし、喉から水分が奪われるため乾燥しやすくなり、結果的に喉を傷めやすくなります。
また、喫煙によって喉に痰が絡み咳を繰り返すことによって、喉を傷めます。
どちらも直接的なダミ声の原因ではないですが、長期間にわたり繰り返すことでダミ声の原因となりますので、控えましょう。
その他、食べ物など喉に悪い物を避ける
その他にも、喉の刺激となるものは避けましょう。
具体的には、辛すぎる食べ物、熱すぎるもの、逆に冷たすぎるものもダミ声の原因となります。
少量なら問題ありませんが、毎日食べていると喉への負担も大きくなります。
できるだけ控えるようにしましょう。
また、これらの刺激物を食べた後は、しっかり水を飲む、のど飴を舐めるなど、喉のケアを怠らないように心がけてください。
いかがでしたか?
声質がダミ声の人でも、自身の発声を見直したり喉への負担を避けたりすることで、ダミ声を治すことができます。
ぜひ試してみてください。
あおいちゃん、最近どう?ダミ声を治すために頑張っているって訊いたけど……。
……。(無言で頷く)
あれ?どうしたの?
ダミ声を治すために、なるべく声を出さないようにしてるんだってさ。
もしかして、今日一日中この状態なの!?
うん。さっきもカラオケ行ったのに、一曲も歌わずにタンバリン叩いてたぜ。
きょ、極端……!!